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Top Yourself / THE RACONTEURS

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「多分、今のアメリカのロックの一番いい音じゃないかなぁ。」
つい先日発売されたラカンターズのアルバムをはじめて聴いたとき、そんな気がしました。

私は前作は聴いていないのですが、ブレンダン・ベンソンとホワイトストライプって組み合わせから想像できるとおり、ハードロックな要素あり、メロウなギターポップな要素あり、さらにアメリカン・ルーツミュージックな要素あり・・・・と、正に1枚で5度くらいは美味しい内容になっています。

そんな“ごった煮”が漂うこのアルバムですが、今日取り上げるのは、アルバムの中盤でちょっとおとなしめの曲。

この曲をはじめて聴いたとき、「40年前のアメリカ人ができなかったツッペリン的なアプローチだなぁ」っと強く感じました。それほどまでに色々な音楽の要素が上手くミクスチャーされています。

まずは、トラッドは雰囲気の生ギターとマンドリン。ちょっと湿っぽい感じもイカしてる!!そして、リフを担当のスライドギターは正に70年代ハードロックのそれ。ツボにはまります。音もとても私の好みです。

そしてボーカルは、所謂ラップ感覚。
ちょうど、Gラヴなんかがやっていることと近いかもしれない。
言葉の韻がしっかりしていて、それだけでリズムを作り出しているような感じを受けます。

私のつたない言葉だけでは伝わりにくいと思いますが、ホントにコレはかっこいいです。

「きっと、この曲をはじめ、このアルバムの音楽たちには何年たっても古びない何かがあるんだろうなぁ」っと感じずにはいられません。

≪From アルバム『CONSOLERS OF THE LONELY』≫

マンピーのG★スポット / サザンオールスターズ

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いままで身の回りに普通に合ったモノが突然消えてしまうわびしさって、こんなものなのかぁ・・・。これが、サザンの無期限活動停止宣言を目にしたときの私の印象です。

はじめて本格的に音楽に触れたのはサザンだったし、色々な洋楽を聴くようになったのも彼らの影響が大きかったように思う。そして、何よりも私を含め、多くの一般庶民にポップスの楽しさや素晴らしさを味あわせてくれていたのだと改めて感じました。

そんなサザンの中で1曲って言われると、この曲も間違いなく私の中の候補にあがります。高校生のもっとも多感な時期に耳にしたこの曲は衝撃的でした。

太く、ブリブリのギターが冴え渡るイントロにはじまり、オルガンの音なんかも響き渡る、サザン風ハードロックって感じの曲。
メロも印象的で、大好きなんだけれど、特にサビのボーカルとハンドクラップが掛け合いになる部分が、ガキンチョながら素敵だなぁっと感じていました。

今、改めて聞いてみると、本当にポップスのエッセンスが満載だなぁっと感じました。この曲を演奏するサザンを再び見れるかどうかはわからないけど、いちファンとして望んでいます、正直ね。

≪From アルバム『happy』≫

Walk on / Neil Young

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もう10年近く前だろうか、このアルバムがCD化されると報道されたのは。それは、私と同じCD時代になってからニールヤングを知ったものにはとても驚きで、レコード時代からのリスナーには朗報だったに違いないと確信してます。

なぜなら、このアルバムの内容が、それほどすばらしいから。
この一言しかないでしょう!!

で、今日はそのオープニングの曲。
最初聞いたときは、このゆるく、メロディックな展開に多少とまどいました。だって、それまで私の知っているニールヤング像は曲に緊張感を求めるタイプだったから。

もちろん、曲によってはゆるいものもあったけれど、この曲のように最初からそこを狙った曲って言うのは少なかったような気がします。

でも、この曲はそのど真ん中を狙ったポップな曲。
アルバムジャケットのイメージとも上手くマッチしていて、まるで、同時代のSSWの曲のような錯覚を覚えてしまいます。

もちろん、彼のギターもこの曲の魅力のひとつ。
ザラザラした感触は間違いなく彼のレスポールの音。
この音を聴くとそうわかってしまうからすごい・・・。
でも不思議とこの粗いギターがマッチしているんだなぁ。
これには新鮮な驚きでした。

あとね、この初CD化に際してHDCDリマスター処理がされているので、かなり音は良いです。この音の良さが、また各々の楽器の響きを奥行きあるものにしていて、いいんですわ・・・。

≪From アルバム『渚にて』≫

White Line Fever / Jesse Ed Davis

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私の好きな音楽に『スワンプロック』ってジャンルがあります。
要は、60年代後半からのアメリカ南部っぽい、ちょっと砂埃の味がするような音楽なのですが、最近では、フォーキーなものも発掘されていて結構広い枠組みで使われています。

でもね、やっぱり私はハードなものがすきなんだなぁ、この曲のような。

この曲は、最初聞いたハタチぐらいのときからハマってしまいました。その魅力はいくつかあるのだけれど、まずはメロディーラインとゴスペルっぽいコーラス。ジェシ・デイビィスのボーカルは上手いわけではなく、声も細いのだけれど、なぜかこのコーラス隊との相性は抜群!!

そして、なんといっても重たいリズム隊。
このリズム隊は手数は少ないのだけれど、その存在感は圧倒的です。ズンって感じのドラムと歯切れの良いベース。そして、その上にジェシ・デイビス自身の独特のスライドギターが乗っかってくるのです。

彼は、決して目立つタイプではない人柄だったらしいけれど、ミュージシャン仲間からは信頼が厚かったよう。この音楽を聴けば彼の音楽性にも魅力が多かったことが良くわかります。
聴いたことがない人は聴いてみて!!

≪From アルバム『A・B・C』≫

Wig-Wam Bam / sweet

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グラムロックっていうと、どうしてもTレックスとボウイの範疇にとらわれてしまいますが、最近ではもうちょっと拡大した解釈が行われているようです。

このスウィートも今ではバリバリのグラムロッカーに数えられています。今日は、ヘビーなギターの音から始まるこの曲を。

本当にこの曲のギターはヘビーなんだよなぁ。
無骨に「レスポールをマーシャルに繋ぎました」って感じでそれが逆にかっこいいのです。

そして、この曲の魅力はなんといってもそのメロディーライン。
とってもポップなんです。だけど、ボーカルの歌い方や声に男臭い部分も漂っていて、甘さもちょうど良い感じに仕上がっています。

そして、このメロディーの魅力をさらにアップさせているのが、サビのコーラス。まるでTレックスのコーラスのように不思議な感じが漂っています。多分、意見が分かれると思いますが、私はこんな浮遊感の漂うコーラスは大好きです。

日本では、特に私と同世代では、多分一部の音楽ファンしか知らないバンドだと思うけれど、もっと取り上げられてもいい存在だと思うのは私だけでしょうか?

≪From アルバム『The Best of Sweet』≫