世界中に影響を与えた普遍的な名曲って、そうはないと思うけれどソウル・ミュージックの世界に限って言えば、この曲はそんなひとつだと思う。誰もが、どこかで耳にしたことがあるこの名曲を今日は紹介。
ホントは、「この曲」って括りよりもアルバム全体として紹介したいぐらいのトータル・コンセプトをもったアルバムなんだけれど、一応、このコーナーは曲単位なんであしからず。
この曲のどこがそれまでのソウルと違うかっていうと、パーカッションがリズムの前面に出てきて、とてもポップな印象を受けること。それまでのソウル・ミュージックは、どちらかというと無骨なリズムに言葉どおり魂で歌うボーカルが多いから、この曲の洗練された、ポップな印象はとても斬新だったんじゃないかなぁ。
(個人的には、「Rubber Soul」あたりのビートルズの手法と似ていてとっても興味深いです。)
しかし、何度耳にしても新鮮さを失わないこの曲。
そういえば、私が「ニュー・ソウル」って言葉が好きになり始めたのもこの曲を聴いたあたりからでした。とっても内向的な音楽・・・とっても素敵だなぁ。
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What's Going On / Marvin Gaye
Baby Workout / Bill Wyman's Rhythm Kings

今日はちょっと反則で、DVDからのセレクト。
以前も紹介した元ローリングストーンズのベーシスト、ビルワイマンのソロプロジェクトの曲。
最近のソロプロジェクトでは、「Bill Wyman's Rhythm Kings」というバンドで活動しているけれど、このライブの時のメンバーがすごい!!
オルガンとメイン・ボーカルはジョージィー・フェイム、ギターはアルバート・リーが担当しています。そのほかにも、凄腕ミュージシャンが多数勢ぞろい。
こんな面子でいったいどんな音楽かと思いきや、R&Bやジャジーな曲が多いのです。
っで、なんといっても後半のハイライトは今日取り上げたこの曲でしょう。
古いR&Rテイストたっぷりな曲を、メンバー全員で楽しそうに演奏しています。ホーンセクションも全開で、その辺のホットな曲が好きな私のようなものには堪りません。
髪を振り乱しながら唄うボーカルの女性と掛け合わせるコーラスもオールデイズ風でとっても素敵なのです。
こんな曲でも親指でベースを淡々と弾いてしまうビル。
確かに、今のストーンズにはマッチしないかもしれないけれど、彼の堅実なプレイと周りを引き立てる姿勢が大好きな私なのでした。
You Don't Know What Love Is (You Just Do as You're Told) / The White Stripes

今年の冬、密かに私の中でお気に入りだったのがこのアルバム。
結構長い期間、どこのCDショップでもオススメとしておいてありました。
その理由の一端がわかるのがこの曲。
まずはわかりやすいギターリフ。それに呼応するようなリバーブ感たっぷりのドラムス。この2つが間違えなく核で、ここに少し甘酸っぱいメロディーが絡むと・・・こんな素敵な音楽になってしまうのです。
特に私はリフを弾くギターが気になってしまいます。
本当に大きなアンプでフルアップしたような音圧とドライブ感がたまりません。
きっとこの曲はライブでも盛り上がることでしょう。
ぜひ1度、彼らのライブを体感したいと思う私です。
God's Worst Nightmare / Wayne Kramer

実は今日は懐かしい1枚を取出して聴いてしまいました。
このアルバム、なかなかどうして私の中では思い出深いものでして、人生で始めて当たったジャケ買いのアルバムなのです。
その頃はなんの予備知識もなく買っていたのですが、後にMC5のギタリストのソロアルバムというとがわかりびっくりしたのを覚えています。
っで、この曲ですが、開放的でアメリカンなギターが冴え渡る名曲です。
なんたってこの曲、アメリカ人特有のブギのリズムがたまらないのです。ギターも他の曲に比べたらかなり押さえ気味でメインリフのギターとそれに絡むギターの2本のみ。相当音の隙間を意識して作られているあたりがミソ。この辺が私が気に入っている理由なのかも知れません。
あと、意外とは私はこのドラムの音、特にバスドラムの抜けるような音が気に入っています。使い方を間違えると間抜けになってしまうけれど、こういったリラックスした雰囲気の曲にはもってこいだなぁっと感じました。
複雑なメロディーがあるわけではなく、技巧的な見所があるわけではないけれど、リズムと雰囲気で人を引き込む曲・・・久しぶりに聴いて改めてそんなことを思った次第です。
Lie Down (A Modern Love Song) / Whitesnake

私にとって“聴かず嫌い”とはこのこと・・・今までなんで避けていたのだろう。自分の感性に情けなくなってしまいます・・・。
最近になってホワイトスネイクを本格的に聴き始めました。
それは某雑誌の“ブルージーな”という評価がきっかけ。
それまで、パープルの一派でブルージーってのはどうも嘘っぽかったのです。
でも、聞いて納得。
その辺のハードロックとは違う、ある意味原点回帰のようなハードロックが聴けました。
っで、今日は彼らの曲からこの曲を。
とってもブルージーなギターリフから始まるこの曲はかれらの初期のものだけれど、ガヴァーデイルさんのやりたかったことがひしひしと伝わってきます。
はっきり言って、パープルのような綺麗なハードロックではないし、演奏面も華やかでもないのだけれど、その代わりに泥臭さがあります。そう、ある種スワンプロックに通じるようなね。複雑化したハードロックより、シンプルなロックンロールから昇華したハードロックへ。このあたりの気持ちがはっきりと現れていて、とても気に入ってしまいました。
ガヴァーデイルさんのことはパープル時代しか知らなかった私にとって、まさに目からウロコ。今後しばらくはこのお熱が続きそうな今宵でした。