最近になって、「私の好きなギタリスト」の仲間入りを果たしてきたのがこのミック・ロンソン。もちろん、ガキんちょの頃からデヴィット・ボウイのバックなんかで弾いているギターの音はカッコイイと思っていたけれど、まさかそのギタリストにハマるとは思ってもいませんでした。
そんな彼のソロ2作目の2曲目がこの曲。
ミディアム・スローな曲ながら彼のセンスを堪能できる1曲だと重います。
彼の特徴は、なんと言ってもメロディを大切にするギタリストであるということ。イントロのギターなんか、まさにその象徴で、ギターにしか出せない(イヤ、他の楽器でも出せるけれどギターが一番似合うとういう意味でネ)美しいメロディなんです。このギターとボーカルの掛け合いが曲の基本構成なんだけれど、時折響くハモらせたギターの美しさときたら溜まりません。
あとね、サビの部分ではコーラス隊が加わり、ボーカルとの心地よい掛け合いを聴かせてくれますが、後半のギターソロでは、その分厚いコーラスの上をギターがメロディを奏でます。この部分が最高にカッコイイ!!
世間では所謂ヘタウマとしても評判(?)の高いミック・ロンソン。でもね、今や少なくなった“歌うギターを弾く”ギタリストとしては一流だと思います、私はね。
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Angel No. 9 / Mick Ronson
Underneath the Light / Silverhead
このアルバム、某雑誌の「ハードロック特集」や「グラムロック特集」なんかにはかなりの頻度で登場していたのだけれど、いままで実物を見たことは一度もなく、CD化されているのかどうかさえ知らず、興味だけが膨らんでいました。
ただただ、このジャケットを雑誌で見るたびに、その妙な迫力に恐れ入っていたわけです。
しかし、まさか中古盤店で、それもCDで見つけられるなんて・・・やっぱり新宿は凄い!!
そのアルバムの2曲目が今日の曲。
このバンド、基本的にはハードロック路線で、リフなんかも結構カッコイイ(リアルタイム世代の人の話では、その格好からグラムとして括られていたとか・・・」)。この曲も例に漏れず、ギターリフから音楽が展開していきますが、イントロのカウベルのリズムに図太いギターの音が乗るところなんかゾクゾクものです。
本編に入っても適度にタイトなリズムとややルーズな数本のギターの組み合わせの上にダブルトラックのボーカル、サビでは高音のコーラスが絶妙に絡み合います。そう、演奏やアレンジに関しては、いわば70年代イギリスのハードロックな部分とポップな部分のハイブリットなのかな。
そして、この曲のハイライトはなんと言っても、ベースでしょう。もともと、ベースが特徴的な曲って大好きなんだけれど、このバンドのベースはブギのバッキングからギター的な使い方への変化など、ホントに自由自在。おいしいオカズもたくさん入っている。基本は当時のハードロックだからやや歪んで、ブリブリした感じも私のツボ。
当時を知らない私たちや、音楽ジャンル純潔主義の方には、このジャケットとごった煮的な音楽性のせいで、ある種異端に移ってしまうかもしれませんが、私は好きです。こういった感覚って。
この曲のほかにも、このアルバムには当時のハードロックやグラムロックあたりのエッセンスが詰まった、いい曲がたくさん詰まっています。そのうち、また紹介するかもね。
Don't Play That Song / Aretha Franklin
アレサって言えば、アルバム『Lady Soul』ってのが定番だけれど、私にとってはこのアルバムも彼女を象徴する名盤なのです。
っと、いうことで、今日はこのアルバムのトップナンバーでヒットシングルであるこの曲を。
まず、なんとも情緒的なピアノのイントラがとても印象的。
ところが、リズム隊が加わるととても華やかな雰囲気に一変します。シンプルだけれど、重たいベースの音色とパーカッシブなドラム、そして軽いギターのカッティングが絶妙に絡み合いとても分厚い音を作り出しています。
その上を自由に歌うアレサがなんとも気持ちよさそう!!
彼女の最大の魅力である“自由”な躍動に溢れています。
もちろん、バックコーラスとの掛け合いも抜群!!
ちなみに、私が所有しているのがアナログ盤ってこともあるでしょうが、この曲というかこのアルバムは本当に音が重く、特にベースの音が際立っています。
昔からそうだけど、ミッドローの良く効いたベースの腹に響くような音は好きだなぁ、私は。
Clarietta Rag / Kevin Ayers
音楽って、やっぱり演奏しているほうも、聴いているほうも楽しいのが一番だと思うんです。仮に、それがライブだろうと、CDやレコードだろうとね。
っと、言うわけで、最高に楽しくなる音楽が今日の曲なんです。
ジャケットやアルバムタイトルでもわかるとおり、アルバム全編がまさに子供のおもちゃ箱をひっくり返したような、とても楽しく、アイディアいっぱいのつくりなんですが、特にこの曲が私は好きなんです。
もともとソフトマシーン出身のケヴィンだけあって、メロディーはカンタベリー色が強く、演奏もしかり。でもね、そこらのカンタベリーバンドでは持ち得ない、楽しい雰囲気がこの曲からは溢れているんです。
リラックスしたケヴィンが、本当に楽しそうに曲を作り上げているのが見えるぐらい。それは、エレピの弾み方やファズ・ギターの奏でるメロディーでも明らかです。
秋の夜長、たまにはこんな一風変わったリラックスミュージックはいかがですか?
Flame Out / Menphis Horns
いつの間にやら、すっかりと秋の涼しさを感じる夜が増えてきました。こんな秋の夜長にはファンキーな音楽にしたりたい、ってことで、今日の曲はこのメンフィスホーンズのアルバムから。
彼らは全盛期のスタックスソウルを支えた、かの「MAR-KEYS」をルーツとする二人組みで、さまざまなミュージシャンのセッションでその名前を目にすることができます。
なんせ、私もつい先日、某中古CDショップでこのアルバムに出会うまでは、自身名義のアルバムがあるなんて知らなかったですから。
っで、アルバムのタイトル曲でもあるこの曲ですが、最高にファンキーでカッコイイですわ。80年代フュージョンの香りが残るベースから始まり、やや歪んだコンプがかったギターが絡んでくるあたり、もろに私のツボでした。
もちろん、かれらのプレイも素晴らしくて、メロディを抑えつつも、一歩引くところは徹底的に引いて、バンドとしてのアンサンブルに重点を置いているようなプレースタイルは私の憧れでもあります。
「だれもが自然に腰でリズムを取りたくなるような音楽」
ファンクの原点って簡単にいってしまえばこういった感じだと思うのだけれど、それが見事に具現化されているような印象を受けました。
いつかこんなプレイをしてみたいものだと、ビールを片手に物思いにふける夜長です・・・。