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She Just Wants to Dance / KEB' MO'

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ブルースっていうと、なんとなく古い音楽ばかりを連想してしまいますが、ちゃんと今でも新鮮な音楽なんですよね、実は。

そんなことを実感させてくれるのがこの人、「ケヴ・モ」。
なんたって、デルタブルースを現代によみがえらせたかのようなフィーリングがたまらないではないですか。

っで、この曲ですが、スライド・ギターとホンキートークなピアノが冴え渡るミッドテンポ・ナンバーです。

最大の聴き所は、シンプルなバックのもと、唄うドブロと音の隙間を埋めていくピアノの絡みでしょうか。

この曲みたいな曲は通常のギターだけだとどうしても硬い雰囲気になりがちなんですが、自由奔放なピアノとメロディックなスライドのおかけでなんともポップな曲に仕上がっています。

ちなみに、これが出たのは94年ということだから、SRV以降のブルースブームが落ち着いた頃。当時の派手なテキサスブルースに慣れた耳にはちょっと物足りなかったのかも。

決して、メジャーな人ではないけれど、期待を裏切らない音楽です。興味のある方はぜひ!!

≪From アルバム『Keb' Mo' 』≫

little baby / Howlin' Wolf

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今日は、しっぽりとブルースを。

このCD、2in1 なもんで、説明しづらいのですが、本来この曲が入っているのは、椅子の写真のジャケットの方です。
実は古典ブルースの中でも特に好きなアルバムだったにもかかわらず、数年前の引越し時のドタバタでこのCDを紛失してしまっていました。

そして、先日ようやく再購入しましたが、リマスターの威力に驚きました。全編で音の輪郭がはっきりとし、クリアーな感じになっていましたが、特にこの曲は迫力がましてすばらしいのです。

まずは、彼のダミ声。このダミ声のボーカルがとてもかっこよく響きます。そう、まるでいかりや長介のごとく。とにかく迫力があります。

そして、ドラムとピアノ、もちろんギターもとても生々しい音になっている!!
ドラムなんて、スネアの響線の音までも聞こえてきそうなくらいの勢いです。以前のCDではこの感動はなかったなぁ。

それぞれの楽器がくっきり分離して聞こえる分、スタジオ内の余韻というか、雰囲気というか、そういったものも見えてきます。

ブルースのCDも遂にジャズと同様、時代の流れで高音質化にのりだしたのでしょうか?賛否両論だと思いますが、私は肯定派です。
だって、どうしてもオリジナルの音が聴きたければ、レコードを買うまでですから。

≪From アルバム『Howlin' Wolf』≫

Hideaway / Bluesbreakers with Eric Clapton

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前回、とっても熱いロリー・ギャラガーを紹介したので、今回はそのモデルとも言えるとっても暑いクラプトンを。

もうこの曲は、ブルースロック好きの間ではバイブルのようなこのアルバムの中でもハイライト的な曲。それほどまでにカッコイイのです。

まずはやっぱり、クラプトンのギター。ギブソンギターの粘りのある音で、マーシャル・スタックを鳴らすとこんなに素敵な音がなるのを最初に実証したのはこのアルバムでしょう。適度にふくよかで、エッジの聴いた最高のギタープレイが楽しめます。

っと、圧倒的にギターサウンドなんですが、実はバックの演奏もシャッフルをしっかり支えるリズム隊、特にドラムが好きです。正確さに加え、リム・ショットなんかも随所に入れてとてもパーカッシブ!!
そして、ハモンド・オルガンです。メンフィス・ソウルなんかの影響かどうかはわかりませんが、MG'Sなんかにも通じるバッキングだなぁっと感心してしまいます。

きっと今のどんなテクノロジーを駆使しても、このフォームで厚みのあるギターサウンドは真似できないでしょうね。そして、この若さと勢いに溢れるクラプトンのプレーもね。

≪From アルバム『Bluesbreakers with Eric Clapton
』≫

Travellin' South / Albert Collins

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とってもいいライブ盤を手にすることができました。
アメリカのテレビ局のTV-Liveのコンピレーションです。
録音された年代も広ければ、ゲストもまた豪華!!こんな大物達が毎回ライブしてくれるのならば、私は必ず観ますね。だって、本当に凄いんだもの。

っで、今日はそのアルバムトップを飾る、Mr.アイス・ピックことアルバート・コリンズです。テキサススタイルのパワーのあるブルースですが、死の2年前とは思えないくらいかっこいいんだ、これが。

彼の鋭くエッジの効いた暴力的なギターサウンドはまさに“テキサス・スタイル”で文句の付けようがないし、普段はあまり評価されないボーカルもここではとてもカッコイイ。彼の腹の底から絞り出すような声は、個人的には好きなんだけれどなぁ。

とにかく日本ではあまり認知しされていないこのアルバム。
この曲をはじめとして、ビギナーにも中級者にもおすすめのメンツと内容なので、輸入盤店などでみかけたら、“買い”ですよ。

≪From アルバム『Big Blues Extravaganza』≫

I Found a New Love / Ronnie Earl and the Broadcasters

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私は、スローブルースが大好きです。それは聴くのも自分が演奏するのも同じ。確かに車の中で聴くのはムードを落としてしまうし、出勤途中に聴くのも気分を滅入らせてしまう。だけど、どんな音楽よりも感情をストレートに表現してくれる音楽だと思うのです。

なぜ、急にこんなことを言うかというと、最近たまたま手に入れたこのアルバムが予想以上によかったから。なかでも唯一のスローブルースナンバーのこの曲がよかったぁ。

決してメジャーになるような凄腕の持ち主ではないのですが、このロニー・アールという人、適度にラフなギターが気持ちいいです。彼のこと、詳しくは知りませんが所謂“顔で弾く”タイプ(チョーキングとともに顔をしかめるタイプのことね)なのではないかと感じています。このタイプの人には、感情をギターで表現できるタイプが多いものです。

バックの演奏もとてもわたしの好きなタイプです。ギターが目立つけれど、ドラムとベースが適度に空間を作りギターが泳ぐ隙間を作り出している感じ。

かくいう私メもかつて“顔で弾く”ことを目指した時期がありました。連休後半は、このCDをおかずに久々に思い出してみますか。

≪From アルバム『Blues a BAMA』≫