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cowboy and indian / Rita Coolidge

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今日もとっても暑い1日でした。もともと暑いのは嫌いではないのですが、ココ名古屋の夏は湿度が半端じゃないのです。瀬戸内の割とからっとした土地で育った私には、昼夜問わず体にまとわりつくような暑さはとても苦手。

そんな気持ちで今日手を伸ばしたのは、このアルバム。
いまやすっかりAORの女王のまだちょっぴり泥臭さが残っていたころのアルバムです。

っで、その中からこの曲を。このドライな質感、そしてウェットな声、一見ミスマッチに見えますが、これが意外にも素敵なマッチングなんです。

バックの演奏は、タイトルからも想像できるとおりカントリーブルース調ハープやスライドなんかも混じって結構本格的なんです。

そこに彼女のウェットな声は、まるで灼熱のアスファルトへ打ち水をしたときのような爽快感を与えてくれます。そして、ラフに楽しそうに歌っている姿が見事にパッケージされています。

最近では、そのポジションからかなり気合の入った声を聞かせてくれることもありますが、彼女のこのころのラフな歌声はとても心地よく、私は大好きです。さすがは、かのデラニー&ボニーのバックコーラスって感じがしますわ。

≪From アルバム『Fall Into Spring』≫

All the Young Dudes / Mott the Hoople

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すっかりご無沙汰の書込みとなってしまいました。
暑い日が続いて気持ちもだれてきてしまっています。

そして、今日もとっても暑かった。夜になっても、部屋の温度計は32℃からビクともせず、気分をそらすためにグラム・ロック周辺の音楽を聴いていたところです。

今日はそんな中からの1曲。モットのアルバムのタイトル曲からです。
まだまだ無名だった時代に、かのデビット・ボウイがプロデュースを担当したアルバム。ちょうど彼が「ジギー・スターダスト」なんかやっているころだったので、その辺の影響はモロに見えます。

なんたって、アコギの使い方とディストーション・ギターなんてそのまんまかも。でも、意外とこのサビの部分のコーラスって頭に残るんですよね。ちょうどビートルズの「愛こそはすべて」と同じような感覚かもしれない。

しかし、この曲のボーカルもすごい。なにがすごいかって、初期のディランのようにメロディがないのにメロディックに聴こえてしまうのです。これは、どんなに計算されたメロディよりも美しく胸に響く時があるのです。

もともと演奏テクニックに重きを置いていないグラム勢の中でも、かれらのヘタウマ度合は群を抜いているといわれています。とはいえ、そんなラフだからこそ、ロックを感じるってものです。

今夜の蒸し暑さにうんざりの私には、そんなこと忘れさせてくれるような、ラフなロックに万歳!!

≪From アルバム『すべての若き野郎ども』≫

Giddy Up / Mick Taylor

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普段はあまりインストものは聴かない私のなのですが、このインスト曲は格別に好きなんです。この時代のフュージョンっぽいインストものは退屈してしまうことが多いのですが、この曲は前半のブルージーな部分から後半のフュージョンへ流れていくのがまた好きなんです。

っと言うことで、本日の1曲は元ストーンズのミック・テイラー。彼のソロ・アルバムから。

この曲は、本当に凄い。何がって、ゲストでリトルフィートのローウェル・ジョージが参加しているから。ストーンズとフィートって、どう考えても結びつきが薄いような感じがするのですが、実はストーンズは一時期フィートのライブにもよく顔を出していたそうなんです。
ミック・テイラーもローウェル・ジョージの特異なスライド・ギターには衝撃を受けたのではないでしょか?

そんなエッセンスが、この曲からも感じられるんです。
なんと言っても、出だしのミックのソリッドなギターと対比するようなロング・トーン・スライド。この流れは曲の中盤でもいくつか見られるのですが、これが結構心地よいのです。お互いに自分の持ち味で相手を引き立てているような姿が目に浮かびますわ。

それにしても、数年前のジョン・メイオールのバースディ・コンサートではすっかりむちむちな体になった姿を見せ付けてくれたミック。
若い頃はやっぱり男前ですわ。

≪From アルバム『Mick Taylor』≫

Nobody But You / James Taylor

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今日は私の家の周りは朝から雨。それもしとしと降り続く典型的な梅雨の雨です。こんな雨にもっともよく似合うのはご存知ジェイムス・テイラーでしょう。特に初期の彼の甘く切ない歌声は、湿った心を柔らかいタオルで拭ってくれるかのようです。

っと言うことで、今日は彼のちょっと地味なこの4thアルバムから。
この歌は、歌の出だしから大好きです。短いイントロの後、少し息を吸い込んで歌い始める優しいメロディ。そして、エレキ・ギターの甘い調べ。

スパイスは、バックで私の敬愛するダニー・クーチの時折目の覚めるようなフレージングと音を引き締めてくれるスネア・ドラムの音。そして、音の厚みを増やしてくれているコンガの音色も捨てられません。

クレジットを見ると、なんと4人だけの演奏です(もちろん、オーバー・ダブはあるけれどね)。無駄をそぎ落として、曲の良さを最大限に引き出した演奏がこの曲では楽しめます。

そういえば、昔、私の友人のひとりが酒を飲みながらつぶやきました『犬や猫が一緒に写っているジャケットに悪い盤はない』っと。
どちらも好きな私もその意見に納得しております。

≪From アルバム『One Man Dog』≫

Wallflower / Doug Sahm

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こんなに演奏者達の楽しいそうな笑顔が容易に想像できる音楽もそんなにないんじゃないかなぁ。アルバム全体を通して、音楽の質としての色々なジャンルがごった煮に加え、それを個性的なメンバー達がそれぞれの視点で演奏した時に味わえる奇跡的な“刺激”のようなものをジャケットの絵のごとくメンバー達が味わっている様子を感じることができます。

そんな素敵なアルバムから、ボブ・ディランとの競演曲を。
なんとジャケットの絵にも登場しているんですね。右側で膝を折り、テレキャスを抱えている人、間違いなくディランでしょう。
そう、この曲では彼がリード・ギター、Dr.ジョンがオルガンというなんとも豪華布陣なのです。

肝心の曲はカントリー/ブルーグラスな風合いが強く、ダグに負けまいとディランもハモリに近いコーラスをとっています。終盤、歌詞を間違えてもそれを突き通すのはさすがです・・・。

バックの演奏はピアノの響きとドブロの音色が妙に美しくて印象的。オルガンとバイオリンが全体の音をとても分厚いものにしています。間奏では、いつになく落ち着き、少し不安定なディランのギター・ソロも聴くことができます。決して派手に宣伝されるような曲ではないけれど、愛すべき小曲っといったところでしょうか。

あれ、そういえばディランの息子のバンド『Wallflowers』じゃなかったっけ?単なる偶然か?

≪From アルバム『Doug Sahm and Band』≫