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Replace All Your Lies With Truth / eggman

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学生時代からずっと興味がありながら、つい最近手に入れたのがこのアルバム。「ブリット・ポップを何をいまさら」なんていわれるかもしれませんが、私は結構気に入ってしまいました。

アルバム全体の印象は、ジャケのイメージどおり。英国特有の陰鬱さを含みつつポップな楽曲がそろっております。

っで、今日のこの曲ですが、そんなアルバムのなかでもひときわポップな1曲です。イントロのギターのリフからとってもかっこいい!!そして、それがそのままバッキングへと流れていく構成はとても好き。

メロも甘いのだけれど、甘くなりすぎず、適度なところで抑えてある印象です。サビのコーラスはもろビートルズですが。

そして、全体をぐっと引き締めているのが鍵盤の音色。この音がさりげなく、そしてやや大きめの音量で全体を締めています。おかげで、音の厚さも増し、スピード感も爽快です。

このころから、「ギター・ポップ」や「パワー・ポップ」なんて言葉が横行しておりましたが、純粋なポップスとしての完成度がかなり高いですわ。

シンプルなポップスは、いつになっても大好きなんだと再認識した次第です。

≪From アルバム『First Fruits 』≫

Esenhower Blues / The Costello Show

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この人の音楽を聴くたびに、音楽の娯楽性を感じずにはいられないのです。そりゃ勿論、世の中にはゲージュツ的な音楽も必要ですが、私のような教養のないものには下世話な音楽のほうが胸に残るのです。

そんなわけで、今日は彼がアメリカに憧れ作ったこのアルバムから、この曲を。

そもそも美しいバラードが多いこのアルバムの中で、タイトルどおりのブルース・ロック・ナンバーでコステロ流ロックン・ロールの原点のような曲なのかもしれません。シンプル中にもリズムギターのリフ、コードを響かすハモンド・オルガン、3連符を刻むピアノ、そして彼の力のこもったボーカルがひしめき合って、その場の楽しい雰囲気を醸し出だしています。

特に彼のボーカルは、かつてのホワイト・ブルースなんかと同じで、必死に本来持ち得ないソウルを込めようとしているのが感じられます。

下手くそな私メなんかもブルースをジャムって演奏するときはとても楽しいのです。きっとコステロさんもそんな気持ちだったのでは?っと勘ぐってしまうのでした。

≪From アルバム『King of America』≫

Ruby Baby  / Donald Fagen

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今日もとっても暑かった。本当に、蒸し焼きになりそうなくらいの日差しの勢いでした。

そんな中クーラーの効いた部屋にいると、久々に聴きたくなったのがこのアルバム。衝動的に「創り込まれた音楽」を聴きたくなったのです。

っで、その珠玉の名曲ぞろいのアルバムから、この曲を。
いってみれば、ちょっとした遊び心で作った曲なんでしょうか。
キャッチなメロディーとなんども繰り返されるタイトルフレーズ。これがものすごく効果的で1度聴いただけでもしばらくは脳裏に焼きついて離れません。

もともとのアルバムコンセプトが、50年代のラジオ・ミュージックを意識しているとのことなので、ある意味常套的な路線ですが、そこだけで終わらせないのがこの人。

さすがスティーリー・ダンの片割れだけあって、演奏の完成度半端じゃありません。しかも、その高さは偶発的なものではなく、いわば理系的に、ロジカルに組み立てられたものなんです。

実は私が苦手な80年代的なシンセやベースの音色が含まれますが、この人の曲に関してはそんなこと気にもなりません。
むしろ、そんな当時のハイテクとコンプの効いたギターやホンキートンクなピアノとのコントラストが美しいとさえ感じてしまうのです。

それさえもが「実は計算済みなんだよぅ」っとでもいわれているような感じですわ。

まだまだ暑さが増すであろうこの夏、こんな体感温度を下げてくれる音楽はいかが?

≪From アルバム『The Nightfly』≫

踊ろよベイビー / Bette Midler

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まるでアメリカのスクリーンにいつも登場するような、男を惑わす“魔女”そのものですね。セクシーな容姿と吐息まじりのウィスパーボイスでこんなスタンダードを歌われた日には、卒倒してしまいそうです。

っと、いうわけで今日は女優であり歌手であるベッド・ミドラーが歌うこの曲です。誰もが知っているオールディーズ・ナンバーも彼女の色気が加わるとこんなにも化けるのですね。

私としてはアレンジも好きで、特にサビに入るまでのベースが中心にボンゴとピアノが脇を固める構成にグッときてしまいます。やっぱり、ウィスパーボイスにはシンプルでメロディアスなベースがしっくりきます。

日本ではあまり“歌手”として認知されていない彼女だけれど、その理由が私には思い浮かびません。“エロかっこいい”が流行ったあとだから、“大人の色気”のブーム到来に密かに期待する私メです。

≪From アルバム『グレイテスト・ヒッツ 』≫

恋を抱きしめよう / Paul Maccartney

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実は、昨日とある国内の有名ミュージシャンのミニ・ライブに意図せず遭遇してしましました。最初は、立ち寄る程度の気持ちでしたが、さすがはプロ、結局最後まで見入ってしまいました。ミニ・イベントだったので1人でアコギ1本だけ(多少、打ち込みをかぶせた曲もありましたが)。そこに忘れかけていた“うたの力”を感じました。

っと、言うことで今日は大物の生々しいライブ音源から。
この音源を最初に聴いたとき、実はとってもびっくりしました。なんせ、途中で止めてやり直す場面も含まれていたから。臨場感をあじわってもらうための仕掛けなのだろうけれど、そんな発想が生まれることにポールの人柄を感じてしまうのでした。

肝心の曲の方は、どのライブ盤よりも生々しい。録音状態もあるだろうけれど、アンプラグトな状態で演奏しているので、曲自身がもつ魅力を最大限感じることができます。アリーナライブと違って、とってもリラックスした雰囲気もいいし、パーカッションも鮮明に聞こえてとても新鮮です。

10数年流行した、アンプラグト企画。最近ではかなり下火になってきてはいますが、この曲や昨日のようなライブを聴くと生音の楽しさを実感できます。せっかく思い出した“うたの力”、しばらく手持ちの音源で堪能しようと思います。

≪From アルバム『公式海賊版』≫