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take five / Dave Brubeck

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とってもスタンダードな音楽って、クラシック、ジャズ、ポップスの垣根を越えて耳に焼きつく感じがしますよね。そして、そこから自分の知らない音楽の旅が始まったりします。

今日の曲は、数あるジャズのスタンダードの中で私が1番最初に出会ったもので、ジャズを聴くきっかけとなった曲。

この曲は、もはや誰も聴いたことがない人はいないでしょう。
私は、変拍子などの難しいことはよくわかりませんが、この曲のメロディーが素敵なことは16歳で初めて効いたときから感じていました。
サックスで奏でられるメロディーは甘く、切なく、落ち着いた雰囲気の女性がささやいているような感覚を与えてくれます。

そして、さらに目を見張るのはリフを奏でるピアノ。いくらバンド編成だといっても、リーダーが終始リフの演奏だけに専念するなんてあまり見かけません。そんなところもこの曲の愛すべき箇所ではないでしょうか?

ジャズが難しいと感じる方、こんな曲から入ってみてはいかがでしょうか?きっと私と同じ程度には楽しめますよ。

≪From アルバム『Time Out』≫

You'd Be So Nice to Come Home To / Helen Merrill with Clifford Brown

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よく言われることですが、アナログ盤時代の音楽は『ジャケットを見ればその内容が想像できる』そうです。実は、私もこの言葉を信じ音楽漁りをしておりますが、その盤なんかもまさにその好例だと思います。

っと、言うことで、本日は吐息混じりな歌声がとっても素敵な女性、ヘレンの曲を。「どうもジャズはねぇ」っと二の足を踏んでしまうような人にもかなりオススメなのがこの曲です。日本人の所謂“ジャズ・ボーカル”ってイメージはこの曲に含まれているのではないでしょうか?

しかし、何度聴いてもホントにセクシーです。小気味よいリズムの曲をこんなにセクシーに歌い上げるのはとっても難しいこと。それをあたかも下目使いで手招きするように歌い上げるのはかっこよすぎます。

そして、何と言ってもクリフォード・ブラウンのペット。このフレージングがまた痺れます。特に、ピアノが静寂を作り出した後のソロは、タメも効いていて私もついついギターでなぞりたくなってしまうほどです。

私が持っているのはCDだけれど、アナログ盤ならばこの素敵なジャケを眺めながら、分厚い音を堪能できるんだろうなぁ。

≪From アルバム『Helen Merrill 』≫

the Rose / 鈴木 重子

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私の大好きな映画『ローズ』。華やかな面とそれとあまりにもギャップの大きい陰の面をもったジャニスをモデルにした映画です。

この曲はそのものズバリその中で使われているもののカバーです。
劇中で使われていたオリジナルも大好きですが、この人のバージョンもとてもハマってしまいました。

レンジの狭いエレピの伴奏とともに何かを憂いでいるかのような歌い方、とても好きです。透き通った歌声の中の深みを感じることができます。

この歌の最後の節の“春になればバラの花を咲かす種だということを思い出して”っという表現もとても好きです。彼女の声の深みも相まって、久々にグッときました。
まだケツが青かった頃、この言葉にどんなに励まされたことか・・・いまもあまりかわらないかもしれませんが。

≪From アルバム『Just Beside You』≫

Comin' Thru The Rye / JULIE LONDON

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久々のジャズです。最後にジャズをレビューしたのはいつのことだったか・・・。このCD、2004年の某映画によるスイング・ジャズ・ブームの時に発売されたもの。ただ、内容的には私のような初心者にはもってこいかも。

そして、そのアルバムの最後に来るのがこの曲。
私達、日本人にとっては、かの『ドリフターズ』の唄った“誰かさんと誰かさん”で有名なメロディーです。もともとは海外の民謡だったのですね。

っで、この曲の方ですが、しっとりと吐息混じりに歌い上げる彼女の優しさにほれ込んでしまいます。優しいブラシのスネア音と時折彩りを与えてくれるトランペットとクラリネット、そしてトロンボーンの音色も素敵です。

悲しいかな知識のなさから、“スイング”というとすぐに派手なビッグ・バンドものを思い浮かべてしまいますが、白人ボーカルの甘い歌声中心の音楽もやっぱり好きだなぁ。
当時のポピュラー・ミュージックの奥深さを痛感しております。

≪From アルバム『SWING SWING SWING』≫

Gone With the Wind / Ella Fitzgerald

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だれもが一度は見たこのとのあるこのジャケット。そして、気にかかるジャケットの“おばちゃん”。今夜はエラの名盤から。

実は、恥ずかしながらこのレコードを買ったのはごくごく最近なんです。ずっと気にはなっていたんだけれど・・・、本能的に泥臭いロックが好くな私にはなかなか手がでない高嶺の花だったのです。

そして、実際に聴いてみるとこのオープニングナンバーですぐにこのレコードの世界に酔いしれてしまいました。イントロの繊細なギターの音色、しっかりと脇を固めるリズム隊、艶やかな声のエラ・・・何をとっても捨てがたいのですが、曲の最後部分のエラによるスイング感満点のスキャットには心底感動を覚えました。
あんななめらかに唄っていた女性が、こんなスキャットをして見せたら・・・そのギャップにどんなに多くの人が引き込まれていくんだろう?

≪From アルバム『The Ella in Berlin』≫