オーストラリア出身で私が知っているミュージシャンの数は決して多くないけれど、そんな中でひときわ特別な存在なのがこのベンさんです。
彼の音楽を始めて知ったのはハタチぐらいの時。
当時はパンクっ気タップリの1stを興味津々に聴いていました。
そして、今日紹介するのは彼の2ndアルバムの曲。
この曲はその最初の曲で、はじめてアルバムを聴いたときにそのポップさにとても驚いたものです。
たとえば、音の空間を埋めるために、いくつも重ねられたシンセ、サビで聴けるハモリなど、これらは1stでは絶対に聴くことのできない音だったのです。
メロディーラインもとてもやさしく、切ないもので、歌詞にも韻を踏む場面が何度も見られて本当に超1級のポップソングな仕上がりです。
そういえば、何かの雑誌でショーン・レノンが彼のことを好きなミュージシャンとしてあげていました。その当時、その意味が良くわからなかったけれど、この音楽を聴けば納得!!
Cigarettes Will Kill You / Ben Lee
Eternal Life / Jeff Buckley
私たちよりも下の世代には印象が薄いかもしれないけれど、この人が登場したときは、あの伝説のS.S,W.の実息とカミングアウトしたことでとても大きな話題になっていました。
往年のロックファンも、当時の私のようなロック小僧もこぞってデビューアルバムを購入したものでした。
その彼の死後に発表されたライブアルバムからの1曲。
実は、デビューアルバムの曲の中でもこの曲が一番好きでした。
彼の曲は「静の中の動」を求めるタイプが多い中、この曲はその逆で「動の中の静」を探すような曲でした。
このライブ・バージョンでは、それがさらに顕著になっている感じ。まるでパンクのようなリズムの中を、切れ味の鋭いギターと搾り出すような彼の声が駆け巡っていく。
彼のギターの音だって、ノイジーで、スタジオ録音とは違った荒さも目立つけれど、それさえもとてもかっこよく聞こえるのです。
これを演奏しているときは、彼自身、まさか余命が短いなんて思っていなかったでしょう。この曲を聴くたびに、「今、彼がいたらどんな曲を聞かせてくれるのだろう?」っとついつい思ってしまう私です。
De Do Do Do, De Da Da Da / POLICE
年に何回かは必ずやってくる、“無性にポリスが聞きたい病”。
決して、リアルタイムで体験したわけではないし、そこまでのファンなわけではないんだけれどね。ただ、彼らのまったく無駄のないサウンドはとっても深くて、何度聴いても新しい発見があるのです。
っで、今日は彼らのライブ・アルバムから。
どうしても彼らにスタジオで凝った音ばかりを追求しているイメージが強いのは、私が彼らを後追いで体験しているからでしょうか?
それほどまでに、中坊のころにはじめて聞いたポリスの音は新鮮で、今でもその衝動は変わらないのです。
しかし、このライブ盤から流れるのは、もうひとつ違った側面のポリス。明らかな“静”と“動”が混在するまぎれもないライブ・ミュージシャンなのです。
この曲もスタジオでは、多少地味なイメージなんですが、このライブときたら躍動感がすばらしいです。特に、A.サマーズのギター。イントロからうねりまくっています。もちろん、あのきれいなコーラス・エフェクトのかかった音で。これほどまでにきれいにエレキ・ギターの音を響かせると、もうそれだけでノックアウトされてしまいます。
いまやポリスというと「スティングのいたバンド」ってことになっていますが、実際は、やっぱりA.サマーズの力が大きかったんだなぁっと実感してしまいます。
エレキ・ギターにゲージツを感じる今宵でした。
Free Huey / Boo Radleys
今日も懲りずに90年代ポップス。
最近、本当に私の探究心を駆り立てているのです。
先月紹介したエッグマンへと繋がるこのグループです。
なんたって、この曲はパワーがでます。曲としてはそんなに複雑ではなくリバーブの効いたドラムが細かいテクニックを駆使しているくらいですが、なんといってもメインのコーラス部分のシャウトがとっても印象的。
この部分、何重にも声を重ね、さらにいかにも当時らしい分離のはっきりしたステレオ感でかなりふわふわとした浮遊感あるような効果を狙っています。
そして、もうひとつの肝はなんといってもファズ・ギター。イントロでははっきり聞こえますが、その後もこのうねりを伴ったファズ・ギターがなんと心地よい効果音を演出していることか。
やっぱりこういったメイン・リフやコーラスがしっかりしていて、わかりやすい曲、大好きなんだなぁ。
そして、ギターの使い方、いかにもグランジを通り過ぎてきた世代だからなせる業だと思います。
90年代ポップスも結構奥深いですねぇ~。
Me Just Purely / Brendan Benson
今日もまた暑い!!
こんな暑い日にはやっぱり最上のポップソングが聴きたくなるわけで・・・。
っということで、今日はデトロイトのポップシンガーの彼のこの曲を。
久しぶりに聞いてみて、何はともあれ時代を感じてしまいます。このアルバムが発売された当初は、オルタナ・ブームが終焉しようとしていたころ。私自身は、オルタナにそんなに関心はなかったのですが、やっぱりこの頃の曲にはその影が色濃いですね(それは彼だけじゃないのですが)。
ただ、やっぱりこの人のギターの使い方はいいなぁ。しっかりとメロを追っているという感じがします。「妙なテンションなんか使わなくってもメロディックに仕上げられるのさ」って声が聞こえてきそうです。この曲なんて、前半はアコギのストロークと簡単なアルペジオだけなんだけれど、そのシンプルさゆえにメロの美しさが際立ちますね。
そして、Bメロで急に広がっていくコーラスとリズムを交えた演奏もぐっと来ます。どことなくストーンズの「Wild Horses」や「友を待つ」あたりを連想してしまうのは私だけでしょうか?
最近90年代ポップが妙に気になり始めたのは、リアルタイムでは気づかなかった「ロックの原点回帰」的な要素が見えてきたからなのかなぁ。と言うわけで、このサイトでは、これからも90年代ポップスをちょくちょく取り上げていきます!!