
夏になると無性に聴きたくなるのがビーチボーイズ。
今や、私の体にとって、上質なカリフォルニア産のポップスは、日本の蒸し暑い夏を乗り切るには必需品なのです。
っと、いうことで今日は、彼らの中でも名盤と名高い『ペット・サウンズ』から。
実は、このアルバム、ハタチぐらいの時に買ってから2,3年はその良さが理解できなかったのです。ただ、漠然と「よい曲が多いなぁ」っというレベルでした。ところが、ある日、夜中の感覚の冴えている時にこの曲を聴いてすべてが変わりました。
はっきりいって地味な曲なのですが、すべてが計算されている音楽なのだけれど、あえて作り出す音のスキマ。この一見不用意なスキマがあることで独特の分厚いコーラスがとてもすばらしい輝きを持っていたのです。
60年代当時はギターを捨ててしまったロックバンドは、いわば丘の上のサーファーなようなモンだったとおもうのですが、新鋭のシンセを導入し、そんなことさえ忘れさせてくれるような素晴らしい曲を作ってしまったのです。
エンディングのコーラスワークもこのグループらしい手法で、不思議な余韻を残してくれます。
連休の最終日にこの曲で、不思議な世界へ心を寄せることのできる私は、ちょっとした優越感を持つのでした。
≪From アルバム『Pet Sounds』≫