Amazon.co.jp ウィジェット

トップ > 音楽レビュー > 2000年以降のロック > Couldn't Cause Me Harm / Beth Orton

Couldn't Cause Me Harm / Beth Orton

ファイル 290-1.jpg

イギリスって国は本当に音楽に関してはミクスチャー感覚に優れた国だと思う。古くはビートルズやストーンズの時代から積極的に当時のアンダーグラウンドだったR&Bやブルースなんかを取り入れていたしね。

そして、この人もそういった感覚に優れた人だなぁと思うのです。
例えば、「この人の曲ってどんな曲?」って聞かれてもなかなか答えられません。フォーキーなものもあれば、シンガー的なものもあるし、デジタルロック(懐かしい!)的なものもある。

でも、どの曲にも共通して言えるのは、英国特有の陰鬱な雰囲気がミックスされていること。恐らく、色々な音楽に興味を示し、没頭するタイプの人だと思いますけど、音作りに関してこのイギリス固有の雰囲気は忘れていません。

もちろん、その感覚はこの曲でも顕著で、ある意味70年代のプログレにも通じる音楽です。

軽く歪んだ印象的なギターリフとキーボードのメロディを中心に音が敷き詰められていき、全体に深く、低めのトーンピークで設定されたリバーヴが施されています。

一聴しただけでは、この曲の良さがわかりませんでしたが、ついついクセになってしまいました、私は。

しかし、この人のように、時代や国柄関係なく、外からの刺激に敏感な英国のミュージシャンたちが多いことは、とても羨ましい。
こういったミュージシャン達の音楽を通して、今宵も新しい音楽と出会える可能性があることに感謝です。

≪From アルバム『CENTRAL RESERVATION』≫