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The Girl of My Dreams / Funk Ink.

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多分、未だにCD化されていないのではないかなぁ、このアルバム。
少なくとも私の調べた範囲では。

数年前に中古盤で安く見つけたけれど、以来、休日の夜のリラックスしたい時間には良く聴いていました。最近、あまり機会がなかったけれど久しぶりに聴いてみたら、「やっぱり良い!」っと言うことで、今日はこのアルバムの最後を飾る曲です。

この曲、とってもメローで甘いギターとサックスの音がメイン。
この両者がとてもいいのです。絶妙なタメやツッコミとビブラートなんかで、ホントに夢心地のメロディーを奏でてくれます。

バックでは、ドラムのリムショットに加え、コンガがポップ感を演出し、オルガンが薄く音を入れていきサウンドの方向性を整えています。

もともとジャズ・ファンクのグループらしいのだけれど、この曲では、そこで培った演奏力にニューソウルなんかの手法を取り入れている感じ。

それにしても、この曲が未だにレコードしか聴けないなんて・・・寂しいなぁ。かなりいいバンドだと思うのは私だけ!?

≪From アルバム『Priced to Sell』≫

What's Going On / Marvin Gaye

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世界中に影響を与えた普遍的な名曲って、そうはないと思うけれどソウル・ミュージックの世界に限って言えば、この曲はそんなひとつだと思う。誰もが、どこかで耳にしたことがあるこの名曲を今日は紹介。

ホントは、「この曲」って括りよりもアルバム全体として紹介したいぐらいのトータル・コンセプトをもったアルバムなんだけれど、一応、このコーナーは曲単位なんであしからず。

この曲のどこがそれまでのソウルと違うかっていうと、パーカッションがリズムの前面に出てきて、とてもポップな印象を受けること。それまでのソウル・ミュージックは、どちらかというと無骨なリズムに言葉どおり魂で歌うボーカルが多いから、この曲の洗練された、ポップな印象はとても斬新だったんじゃないかなぁ。

(個人的には、「Rubber Soul」あたりのビートルズの手法と似ていてとっても興味深いです。)

しかし、何度耳にしても新鮮さを失わないこの曲。
そういえば、私が「ニュー・ソウル」って言葉が好きになり始めたのもこの曲を聴いたあたりからでした。とっても内向的な音楽・・・とっても素敵だなぁ。

≪From アルバム『What's Going On』≫

男が女を愛する時 / Percy Sledge

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いわずと知れたソウル・バラード名曲。
なぜかこのところすごく聴きたくなってしまって、久しぶりに引っ張り出して聴いたところです。

割と単調なリズムだし、とりわけ目を引くようなアレンジがしてあるわけでもない・・・でも、やっぱりこの曲には人をひきつける魅力がたくさんありますね。

なんたって、出だしの声を絞り出すようにして『When a man loves a woman』って歌うところ。もうここだけでこの曲は名曲ってことになります。だって、ダミ声でこんなに切なくこのフレーズをうたわれたらかなわないよ。

そして、この曲の骨格を掌っているオルガンの音色。やさしいこの音色と後半に入ってくるコーラスでこの曲がどんなに美しい響きとなっていることか。

あと、個人的にはこの曲の「録音状態」も好きだなぁ。
時代的なものもあり、決して高音質ではなく、むしろ音は割れかけているし、ワイドレンジも狭い。でも、だからこそ冒頭のフレーズがパワフルに聞こえるし、とっても音が厚く聞こえます。

しかし、ソウル・バラードってあまり頻繁には聴かないけれど、時折聴くと耳に、胸にしみるのはなぜなんでしょう?

ひょっとして、私のちっぽけな“ソウル”も掻き立てられているのでしょうか?

≪From アルバム『男が女を愛する時』≫

Winter Wonderland / Darlene Love

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世間はめっきりクリスマスムードになってきました。
今日も立ち寄ったCDショップではクリスマス企画モノのコンピレーションが大々的にプロモーションされていました。

最近ではあまり見かけないけれど、60年代にはレーベルやグループなどの単位でクリスマス企画モノが結構多かったようです。特にモータウンの関係は今でもよく見かけます。

っで、今日のこの曲は所謂フィル・スペクター一派のクリスマス・アルバムから。

60年代の彼の一派というと、ガール・グループが多かったのですが、ソロシンガーとして中心人物のひとりだったダーレン・ラヴです。

同じ一派のロネッツに比べれば知名度は低いものの、この曲の出来はなかなかすばらしいですよ。

まずは、ウォール・オブ・サウンドで作り上げられたスペクターサウンド。この曲では、企画モノにもかかわらずこの手法が惜しみなく使われています。

分厚くやや歪んだ音でホントに目の前に「音の壁」を感じてしまいます。

彼女の歌もすばらしく、とってもソウルフル。声質がもともとそうなのかもしれないけれど、それ以上に歌いまわしがカッコいいですわ。

コーラスもシンプルなハーモニーが多いけれど、ややラフな主役の歌声をがっちりサポートしています。

昔の映画なんかで見るロック前夜の古き良きアメリカの光景って、まさにこんな曲が街中から聞こえてくるんだろうなぁって勝手に想像したくなるようなこの曲。
クリスマスソングってだけでなく、スペクターサウンドを体験したい方も如何?

≪From アルバム『A Christmas Gift For You』≫

Arms Of My Baby / Joss Stone

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少し遅くなりましたが、ブリット・ソウルの新鋭、ジョス・ストーンの新譜を紹介します。実は、今回のアルバムはあまり期待していませんでした。どうもシングルのPVが好きになれなかったから。

ところが、いざ買ってみると、やっぱり彼女はクラシックなソウルが好きなんだなぁっと感じさせる部分が多い。特にメロディにはその影響が大きいです。曲がりなりにもソウル・ミュージックが好きなものにとっては惹かれてしまう部分が多いのです。

っで、そんな中でもこの曲が気に入りました。
ヒップな歪んだリズムに乗せて、タイトなベースラインが躍動して、「アレサでも歌っているんじゃないか?」っと感じさせる彼女のボーカル。クラシックな佇まいといまどきな感覚のちょうど中間といった感じでしょうか?

そして、ギタリストな私としては左から聞こえるクリーントーンのギターの雰囲気ある空間がたまりません。いいフレーズが多いなぁ。

訳あって今は車のない生活ですが、車があれば五月の陽気の下真っ黒なサングラスをかけてドライブのおかずにしたい曲ですわ。

≪From アルバム『Introducing』≫