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葉巻はいかが / Pink Floyd

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このレビューを何度かお読みになった方はお気づきでしょうが、私は意外と地味なアルバムの中の佳作に強く惹かれてしまう部分があるようです。

実はこのアルバムもかなりのフェイバリットのひとつ。勿論、名盤と称される「原子心母」も「狂気」も大好きですが、このアルバムの迷いの垣間見える魅力も捨てがたいのです。

前書きが長くなりましたが、今日はそのB面1曲目(LPではね)から。
プログレがビートルズの「サージェント・ペパー・・・」から派生したとすれば、この曲は真にその系統の曲です。

淡々とリズムを繰り返すドラムスとベース、そしてフェイズ・トーンのギター。そこにモジュレーションのかかった切なく叫ぶようなボーカル。そして、決め手はなんと言ってもブルース・フィーリングあふれる泣きのギターでしょう。

正直、プログレに泣きのフレーズって異色の組合せだと思うのだけれど、すべてが計算しつくされたバックの演奏に、こんなラフなギターを組み合わされると思わずドキッとしてしまうのです。

それにしても、彼らのアルバムの中の小曲って、なんでこんなに魅力的なのが多いのだろう?でも、だから彼らのアルバムがいつになっても私にトキメキを与えてくれるのだけれどね。

≪From アルバム『炎』≫

Fire / Arthur Brown

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アバンギャルド・・・こんな言葉がぴったりなこの人。ジャケットを見ただけでも凄そうでしょ。このアルバムはどれか1曲を選ぶのではなく、トータルに楽しむものだと思うけれど今日はこの1曲を。

文句のつけようがないです、この完成度。地をはうような“Fire”の声とともにオルガンが唸りを上げます。単にサイケやプログレでは片付けられない“黒っぽさ”がにじみ出ています。

この人、声域も広いようで、オクターブ以上の移動もとてもスムーズに違和感がありません。私は特に中盤一旦スローになってからのささやくようなボーカルが好きです。

世間では割とアングラの部類に入るみたいなのですが、私は結構すきなのであります。きっと、60年代当時の英国で、80年代のPrinceの様な存在だったんだろなぁっと想像を膨らましているところです。

≪From アルバム『The Crazy World of Arthur Brown』≫

あなただけを / Jefferson Airplane

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見てのとおり、最近サイケデリックな音楽をまた聴き続けています。なぜか不思議と以前よりもこのサウンドを違和感なく受け入れる私がいます。私の場合、たいてい音楽に対して受身になっているときにこの手の音楽にはまるのですが・・・今回はどうでしょう?

っで、この曲ですが恥ずかしながら知ったのは最近です。私くらいの世代だと、どっぷりはまらない限りはなかなか60年代のフラワー・ムーブメント期のバンドは情報として入ってこないものなのです。

ただこの曲は、一目ぼれでした。線が細いながらもパワー全開の女性ボーカルにサビで男声コーラス絡む構成が好き。あと、ベースラインもいいねぇ。なんだかとっても“踊っている”という表現が似合いそうです。

不思議とサイケの名曲たちは、一目ぼれが多いかな(基本的にスルメチック・ミュージックが好きな私です)。この世界、まだまだ発見が多い!!

≪From アルバム『Surrealistic Pillow』≫

まぼろしの世界 / doors

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なんだか、春の匂いが鼻をくすぐった今日の夕暮れ時にどうしてもこの曲が聴きたかったのです。学生の頃は、それころ夜通しこのアルバムをターンテーブルに乗せいてたこともありました。

初期の彼らと違ってベースが加わったことで、とってもタイトなリズムの上に、切なげなボーカルで歌い上げ、トレモロギターも絡んできます。そして、一瞬、時間が止まるかのようなキメのブレーク。単に“サイケ”って言葉だけでは片付けられません。

こんなにも音の空間を意識する曲はあまりないように思います(だって、今の音楽はアマチュアでさえ16トラック以上つかうもんねぇ)。この空間の心地よさに身を任せている今宵です。

≪From アルバム『まぼろしの世界』≫

Money/Pink Floyd

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この曲、初めてであったのは高校1年生のときだからもう10年以上の付き合いになるのね。なんど聴いてもその不思議な世界にのめりこんでします。なんといっても、レジの音がそのまま曲のリズムになっていくところ。初めて聴いた時から、「なんて新鮮なんだろう」って感じたなぁ。そのリズムからこんなに素晴らしいロック・ナンバーに発展していくなんて・・・。音楽って、日常にある音すべてが要素になっていると改めて感じる初夏の夜です。